今、弊社で新築・改築時に行っている防蟻工事(白アリを家に侵入させないようする予防工事)は基本的に『エコボロンPRO』という認定を受けた代理店しか施工できないプロ向けのもので施工を行っておりますが、この『エコボロンPRO』を一般家庭向けに少しホウ酸の濃度を薄めて作られたものが『エコボロン
スプレータイプ』になります。
白アリだけでなく、昆虫類全般に効果があるものですので、一般のご家庭でも使用する機会はございます。ですが、ネズミなどの哺乳類には効果がありません。ネズミ対策は他のものをご使用ください。
ホウ酸塩を使用した防蟻剤は、日本の白アリより強いアメリカカンザイシロアリ(一部日本でも発見例あり)がいるアメリカで一般的に使用されている防蟻剤で、その高い防蟻効果、有害なVOCが発生しない、口に入っても人体への害がほとんどない(経口した場合の致死量は塩と同程度)ことから、日本でも注目されはじめた防蟻剤になります。
今まで日本では、人体に悪影響を及ぼす可能性のある防蟻剤が一般的でしたが、今後間違いなく普及していくものだと思っております。
さらにこのホウ酸を使用した防蟻剤『エコボロン』シリーズは、従来の防蟻剤と違い、定期的な再施工の必要がございません。一般的な防蟻剤は揮発性の成分を使用しており、数年で効果が弱まってしまうため、施工後、何年かしたら再施工を必要を必要としておりましたが、ホウ酸は無機物であり揮発することなく、結晶化して木材にとどまってくれるので、雨や水で洗い流されない限り半永久的に効果が持続します。
『エコボロン』を使用した防蟻工事は一般的な防蟻工事よりは初期費用は少し高いですが、大きな差額はございませんので、数年毎に再施工しなければいけない従来の防蟻工事と比べて長期的にみればとても経済的な防蟻剤です。
とても、良い点だらけの『エコボロン』ですが、二点だけ注意点がございます。
①水に弱い
成分が木材に含浸しているので多少の水は問題ございませんが、ホウ酸は水に溶けて
しまうものなので、施工した部分が大量の水で流されてしまうと水にホウ酸が溶けて
流れてしまい効果を失います。
②すでに木材の中に入ってしまっている白アリにはあまり効果が無い
外から『エコボロン』を噴き掛けても内部全てにいきわたるわけではなく、表面から
数ミリ程度含浸するだけなので、内部深くにいる白アリには届きません。臭いで忌避
したり触れただけで虫が死ぬような殺虫成分をがあるわけでなく、昆虫がホウ酸を食
べることによって効果を発揮しますので、既に内部で巣をつくってしまっている白ア
リにはあまり効果が期待できません。既に、白アリに入られているお宅は、その部分
を取り換えるか、一度強い薬品で全て殺虫した後『エコボロン』施工となります。
注意点もいくつかあげさせていただきましたが、それを差し引いても従来のものと比べ、ホウ酸系の防蟻剤はとても優秀です。
弊社の取り扱い商品の断熱材『ウールブレス』にもホウ酸系の防虫処理が施されています。
(一度、ウールブレスが虫に食われているのを見たことがございますが、その虫食い穴から少し中をのぞくとすぐ手前の部分で死んでおり、ホウ酸の効果を実感したことがあります。)
今、新築や改修を検討されている方は、ぜひホウ酸系の防蟻剤を使用されることをおすすめ致します!
白アリは住宅にとっては害虫ですが、本来死んだ木を土に戻る手助けをしてくれる森にとっては益虫になるので、できれば白アリともうまく付き合っていきたいものです。
【豆知識】
黒アリは建物に被害を加えるようなことはほとんどせず、白アリを食べてくれることもあるので、大量発生しているのでなければそっとしておきましょう。